












平成19年4月の医療法改正により従来型の出資持分ありの医療法人の設立はできなくなり、代わりに出資持分なしの基金拠出型の医療法人が設立できるようになりました。


個人経営の場合と基金拠出型医療法人を設立した場合とではどのように違うのでしょう?
| メリット | デメリット | |
| 基金の取扱い | 返還請求できるのは拠出額のみ。 儲かっていても相続税の評価は増えない。 ⇒事業承継、相続対策が楽。 |
儲かっていても儲かった部分の配当はもらえない。 |
|---|---|---|
| 利益(残余財産)の 取扱い |
利益は医療法人の事業にしか使えないので、個人と法人の資金を分けて管理でき、経営の分離が図れる。 | 利益があっても、配当できない。 自分の好き勝手に使えなくなる。 解散時の残余財産は、国等に帰属するので、自分に戻ってこない。 |
| 消費税 | 個人で課税事業者であれば、2事業年度は免税となるので得。 | - |
| 税の軽減 | 個人では最大50%の課税だが、法人は40%以下に抑えることができる。 | 赤字でも法人地方税の均等割 (最低でも約7万円)の納税が必要。 |
| 欠損金(赤字)の繰越 | 7年間繰越して利益と相殺できる。 | - |
| 親族への給与 | 専従者でなくとも、経営に従事している親族を理事に加え、理事報酬を支払うことができる。 | 仕事内容に見合わないと判断される部分は、損金(経費)として認めてもらえないことも。 |
| 自分への給与 | 理事報酬にすることで給与収入から「給与所得控除額」が控除でき、節税につながる。 | 個人で事業所得がなくなり青色申告特別控除(65万円)が受けられない。 個人的な借入は自分の給与から賄わなければならない。 |
| 役員退職金 | 理事を退任するときに役員退職金を支給することができる。 リタイア後の老後資金の確保に有効。 |
功績に照らして高額と判断される部分は、損金(経費)として認められないことも。 個人加入の小規模企業共済等は継続できない。 |
| 社会保険の負担 | 従業員は、所得保障等(出産手当金等)の受給ができる。 | 厚生年金に強制加入となり、法人負担が増える。 医師国保を継続できない場合には、協会けんぽの法人負担が増える。 |
| 保険スキーム | 法人での契約により保険料の全部または一部を経費化できる。資金繰りや税負担を分散させることが可能。 | - |
| 交際費 | - | 限度額が設けられており、支出した額の10%と限度額を超過した部分は経費にならない。 |
| 事業拡大 | 分院開設、介護老人保健施設の設置等が可能。 | 分院の管理者(常勤医師)は理事に就任しなければならない。 |
| 対外的信用 | 対外的な信用が増し、永続可能な事業として、有能な人材確保等につながる。 | 医療法人としての「非営利性」をより強く求められる。 |
| 決算日 | 決算日を自由に選択可能。(個人はすべて12月31日) | - |
| 社会保険診療報酬支払基金から入金される診療報酬 | 源泉徴収がなくなるため、毎月の入金額が多くなる。 | 源泉徴収がないため、納税資金の管理が必要。 |
| 手続き等 | - | 設立申請のほか、毎年決算終了後は保健所等への決算届、資産の総額の登記等が必要。 理事や監事など一定の人材確保が必要。(就任要件あり) 医療法人をやめ、同じ場所で個人診療所を開設することは原則不可。 |
| 管轄 | - | 管轄する都道府県による指導・監督あり。2以上の都道府県で診療所等を開設する場合は厚労省管轄。 |
どちらを選択するかは、医療事業に対する考え方や方針、自身の取り巻く内部環境・外部環境などにより、総合的に判断することが求められます。
10年後、20年後の医院のあるべき姿を描いた上で、各々のメリット・デメリットをよく検討し、医療法人を設立すべきか、よく考える必要があります。
まずは、医療法人設立シミュレーションで節税効果、社会保険の負担額などを確認しましょう。
ぜひ、一度ご相談ください。